立場を考える|仕事の権利と責任をはき違えないために
仕事をしていると、「なぜ自分がこれをやらなければいけないのか」と感じる瞬間があります。
やりたくない仕事。面倒な仕事。誰かが避けた仕事。
そういうものが自分に回ってきた時、不満を感じるのは自然なことです。
今の時代は、働く側の権利も大切にされるようになりました。
無理をしすぎないこと。理不尽を我慢しすぎないこと。自分を守ること。
それはとても大事な考え方です。
ただ、その一方で忘れてはいけないのが、「自分の立場を考える」ということなのではないでしょうか。
あくまで雇われているという現実
会社で働いている以上、私たちは基本的に「雇われている立場」です。
もちろん、それが人として上下を意味するわけではありません。
ただ、給料を受け取っている以上、そこには役割があります。
求められていることがあり、任されていることがあります。
「これはやりたくない」「それは自分の仕事じゃない」と感情だけで切り離してしまうと、ではその仕事を誰がやるのか、という現実が残ります。
目立たない仕事もあります。
評価されにくい仕事もあります。
でも、誰かがやっているから、職場は回っています。
そういう現実を想像できるかどうかで、仕事への向き合い方は大きく変わってくるのかもしれません。
仕事は「頼まれてやっているだけ」ではない
仕事というのは、誰かにお願いされて仕方なくやっているものではありません。
もちろん、現場では上司から指示を受けることもありますし、周囲から頼まれることもあります。
ですが本質的には、自分がその場所に所属し、その対価として給料を受け取っているから仕事をしています。
ここを見失ってしまうと、「やってあげている」という感覚が強くなってしまいます。
すると、少しずつ不満ばかりが大きくなります。
やりたい仕事だけをして、やりたくない仕事は避ける。
現実には、それだけで回る職場は多くありません。
だからこそ、自分が今どんな立場にいて、何を求められているのかを冷静に見ることも必要なのだと思います。

未来をイメージできるか
大事なのは、「今の仕事を通して、自分がどこへ向かいたいのか」を考えることです。
将来どうなりたいのか。
何を身につけたいのか。
今は生活のためなのか、それとも次のステージへの準備期間なのか。
未来を考えずに働いていると、目の前の嫌なことだけが強く見えてしまいます。
ですが、未来を少しでもイメージできると、今の経験の見え方も変わります。
嫌な仕事の中にも学べることがあります。
面倒な仕事の中にも、人との関わり方や責任感を学ぶ場面があります。
もちろん、無理をしすぎる必要はありません。
ただ、「嫌だからやらない」だけで止まってしまうと、その先に積み上がるものも少なくなってしまいます。
権利を持つことと、責任を忘れることは違う
働く人には権利があります。
休む権利もありますし、不当な扱いを拒否する権利もあります。
それは当然守られるべきものです。
ただ、権利だけを強く意識しすぎると、「自分がやりたくないことはやらなくていい」という考え方に偏ってしまうことがあります。
でも実際には、自分がやらなかった仕事を、誰かが代わりに背負っていることもあります。
誰かが黙って支えているから、職場が成り立っていることもあります。
だからこそ、権利と同時に責任も考えることが大切なのではないでしょうか。
それは我慢を美徳にする話ではありません。
現実を見ながら、自分の立場を理解するということです。
感情だけで判断しない
仕事には、感情だけでは割り切れない部分があります。
理不尽に感じることもありますし、納得できない場面もあります。
ただ、その瞬間の感情だけで全てを判断してしまうと、未来の自分に必要な経験まで切り捨ててしまうことがあります。
続けるにしても、辞めるにしても、自分の未来を見ながら考える。
その視点を持てると、仕事との向き合い方も少し変わってくるのかもしれません。
仕事は、ただ耐える場所ではありません。
けれど、好きなことだけをする場所でもありません。
その中で何を学び、どう未来につなげるか。
そこを少しずつ整理していくことで、自分の働き方も変わっていくのではないでしょうか。
答えを急がなくても大丈夫です。
ただ、自分の感情だけではなく、「今の立場」と「これからの未来」を一緒に見つめていくことが、これからの働き方を整えるヒントになるのかもしれません。
