自己肯定感を育てるということ|子どもの前に、まず大人がゆるむこと
自己肯定感を育てる。
言葉にすると、とても大事なことのように聞こえますし、実際その通りだと思います。
でも、その言葉が立派すぎて、逆に親を苦しくさせてしまうこともあります。
ちゃんとしなきゃ。否定しないようにしなきゃ。傷つけないようにしなきゃ。そうやって気を張りすぎると、だんだん自分のほうが疲れてしまうこともあります。
本当は、自己肯定感というのは、特別な教育で急に育つものではありません。
毎日の空気や関わり方、安心できる時間の中で、少しずつ育っていくものです。
家族は小さな社会
家族というのは、小さなコミュニティです。
そして子どもは、その小さな社会から外の大きな社会へと出ていきます。
だからこそ、家の中でどんな空気が流れているかはとても大事です。
安心して話せるか。失敗してもすぐに否定されないか。疲れている日があっても居場所があるか。
そんな小さな積み重ねが、子どもの「自分はここにいていい」という感覚につながっていきます。
子どもは親の言葉より、親の姿を見ている
これは昔からあまり変わらないことだと思います。
子どもは、親の言葉よりも、親のふるまいをよく見ています。
誰かへの接し方。失敗したときの反応。イライラしたときの立て直し方。自分をどう扱っているか。
そういうものを、案外ちゃんと見ているものです。
だから、口でどれだけ「大丈夫だよ」と言っていても、親自身がいつも自分を責めていたら、子どもはそこからも学んでいきます。
自己肯定感を育てるということは、子どもに何かを教える前に、大人自身が少しずつ自分との付き合い方を変えていくことでもあるのだと思います。
いつも100点の親なんていない
人は間違えます。失敗もします。風邪も引きます。体調が悪い日もあるし、機嫌が悪い日もあります。
常に100パーセント正しい親でいることなんて、できません。
法律的には正しかったとしても、道徳的にどうだろうと考える場面だってありますし、何が正解かはそのときの状況で変わることもあります。
だから、あまり神経質になりすぎなくていいのです。
少し肩の荷を下ろす。これくらいのスタンスで、ちょうどいいこともあります。

親も、子どもと一緒に育っていく
自己肯定感を育てるというと、「親が子どもに与えるもの」というイメージになりがちです。
でも実際は、親も子どもと一緒に学び、一緒に成長していくものなのかもしれません。
ときには気を抜いていい。
ときには子どもに任せていい。
ときには一緒に笑っていい。
ちゃんとしなきゃ、と背負い込みすぎるよりも、一緒に生きていく感覚のほうが、結果的にいい空気を作ることがあります。
今の時代は、心がすり減りやすい
今は、ただ暮らしているだけでも気が張りやすい時代です。
物価のこと、将来のこと、社会の変化。いろんな不安が日常に入り込みやすい時代でもあります。
さらにSNSを開けば、誰かの華やかな生活や成功が簡単に見えてしまいます。
比べるつもりがなくても、気づけば比べてしまう。そんな環境でもあります。
だからこそ、家の中くらいは「比べなくていい場所」であってほしいのです。
お金がなくても育てられるもの
もちろん、お金は大切です。
でも、自己肯定感は特別な体験や高価な教育だけで育つものではありません。
一緒に笑うこと。気持ちを共有すること。同じ目線で話すこと。失敗しても戻れる場所があること。
そういう精神的なつながりの中で育つものも、たくさんあります。
最後に
自己肯定感を育てようとして、親が自分を追い詰めてしまったら、本末転倒です。
子どもを育てる前に、まず自分自身にも少しやさしくする。
今日はうまくいかなかった。そんな日があっても大丈夫。
子どもは、完璧な親を求めているわけではありません。
安心できる空気の中で、自分もまたやり直せると感じられること。それが大きな土台になります。
あなた一人が全部を背負わなくて大丈夫。
子どもと一緒に育っていく。それくらいの感覚で、ちょうどいいのだと思います。
